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工房おりがみコラム 更新
『動きだしてます。』

彼は
「日本財団!」
「日本財団!」と話しかけてきます。
「日本財団あるね、どうしたん?」
「車、よく走ってるね。」
「車のこと?」と聞いてみる。
けど
「日本財団!!日本財団!!」と話される。
「何かあった?」と私。
少しして
「画用紙」、「絵」、「色鉛筆」と。
彼の瞳はせわしくキョロキョロしています。
私は“ここまで言えたんだ”と思いつつも、そ
の先にある彼の気持ちがわかっていますので
彼の言葉を待つようにしています。
今も話し合っているところ。待っているとこ
ろ。

こんなことがありました。
お給料日のこと
「たくさんかせいだね、がんばったね。」
「がんばりました。」
「うれしいね。」
「はい。」
「一番、何を買わんとあかんかなぁ…。」と
たずねてみました。
私はある答えを期待していました。
彼は上を見たり、身体を斜めにしてみたり、と
考えている様子。
30秒くらい待つと、彼が言いました。
「バスの定期です。」と。
グループホームからバス通勤されている彼にと
っては、まずバスの定期券を買う必要があった
からです。
この言葉を聞いた時、本当に嬉しかった。
彼の仕事への意欲や、「バス定期券」が大事な
ことを、やっと発せた勇気を感じ、私は天にも
昇る気持ちでした。
(ほんとうれしかったな~(*^^)v)

一歩踏み出した彼とは今、
  二歩目を共に挑戦しています。

            管理者 山下 雅子